8.「団信」の審査に落ちた場合の対策
団信は住宅ローン専用の生命保険といっても生命保険である以上、
健康状態の審査も行われます。
そのため、他の条件をクリアしていても、健康状態でローンが
不可になってしまう場合もあります。
そのような場合にはどのようにしたらよいのでしょうか?
折角、念願のマイホームの夢が叶いかけているのに
ローン申請を却下されたのでは、悲しいです。
そんな時の対策のいくつかをお知らせしましょう。
フラット35にローン申請をする
フラット35は、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が行っている住宅ローンです。
どのようなものかというと、
民間金融機関と住宅金融支援機構が共同で提供している長期固定金利の住宅ローン。新築住宅の建築・購入と中古住宅の購入に利用できる。同機構の前身である住宅金融公庫が2003年に開始し、04年に現名称となった。金融機関が利用者の住宅ローンを組み、その債権を同機構が買い取り、証券化して投資家から資金を得る「買取型」と、債権の買い取りは行わず、フラット35を担保に発行される債券などの債務の支払いについて、住宅金融支援機構が保証を行う「保証型」がある。借入期間が最長35年の固定金利という点は両者同じだが、買取型は借入限度額が建設費・購入価格の9割まで(14年4月からは全額借入が可能)、団体信用生命保険への加入は任意(保険料が別途必要)、保証型は住宅ローンの借り換えが可能で、借入限度額は最大全額、団体信用生命保険への加入は必須(保険料は銀行が負担)となっている。
というものです。
買取型であれば、団体信用生命保険への加入は任意となっていますから、
団体信用生命保険へ加入しなくとも良いわけです。
ワイド団信「引き受け条件緩和型団体信用生命保険」に申し込む
ワイド団信とは通常の団信よりも条件が緩やかで保障範囲が広範囲なものです。
七大疾病特約付き、八大疾病特約付きの団信もワイド団信と呼ばれることがありますが、
ここでいうワイド団信は引き受け条件緩和型団体信用生命保険のことです。
ワイド団信は通常の団信よりも審査が緩やかです。
例えば、「高血圧症」「糖尿病」「肝炎」などの症状で団信の審査が通らなかった方でも
引き受け条件緩和型団体信用生命保険であれば審査に通る可能性があります。
ただし、審査が緩やかになる分、保険料を多く収める必要があります。
一般的には保険料は適用金利に年0.3%上乗せされます。
その分、支出が増えるわけですから、ワイド団信が必要かどうか
十分に検討してから申し込む方が良いでしょう。
収入保障保険に加入する
収入保障保険とは、保険に加入している方が亡くなられた場合、
保険金額を保険期間の間、毎月、遺族が受け取れるというものです。
例) 30歳の時に65歳まで毎月10万円を受け取れる保険契約をした場合
40歳で亡くなられた場合、遺族は25年間、毎月10万円を受け取ることが出来ます。
50歳で亡くなられた場合、遺族は15年間、毎月10万円を受け取ることが出来ます。
収入保障保険に加入していても、団信とは異なり、
残債を保険会社が支払ってくれるということはありません。
が、毎月のローン返済金額を支払ってもらう保険契約であれば、
その保険料で遺族はローンを返済することが可能になる訳です。
ローン申請する銀行(金融機関)を変えてみる
前々項、6.「団信」の引受生命保険会社についての表を見てください。
銀行によって団信の引受生命保険会社が違っているのが分かりますね。
団信の加入審査をする引受生命保険会社の審査基準は引受生命保険会社によって異なります。
したがって、引受生命保険会社の異なる銀行(金融機関)へローンを申し込むと、
審査をパスする場合もあります。
団信とは関係のない生命保険に加入してローンの申請をする
銀行が団信に加入できないとローンを受け付けないのは契約者が死亡などによって
ローンの返済が出来なることを避けるためです。
ですから、団信でなくとも万一の時にローンの残債をしっかり受け取れるのであれば
銀行がローンを引き受ける可能性は高くなります。
また、一般の生命保険だけですと死亡した場合には保険金を受け取って残債を
決済することが出来ますが、病気、怪我などで働けなくなった場合にはローンの返済に
困ることになります。
したがって、疾病特約付きのものなどに加入しておけば、病気、怪我などで働けなくなった場合にも
安心であるのと同時に、ローンの審査も通りやすくなるでしょう。
もちろん、保険金額は融資金額の担保として十分なものでなければならないことは言うまでもありません。
医師の診断書を提出する
あらかじめ団信の審査には通らないかもしれない、
又は、すでに他の団信審査に落ちてしまった場合、
症状が安定しているという診断書を医師に書いてもらい、申請時に提出すると、
審査に通りやすくなる可能性もあります。
9.団信ではカバーできないリスク
住宅ローン返済中に死亡や高度障害状態になってしまった時、
住宅ローン残金分の保険金が金融機関に支払われ、住宅ローンが清算されます。
遺族がローンを受け継いで苦労することもなくローンを貸し出した銀行(金融機関)も
ローン返済の回収が出来て、良いことづくめのようですが、気を付けなければいけないことがあります。
それは、団信がカバーしてくれるのは死亡や高度障害状態になってしまったとき、です。
住宅ローンの債務者が死亡ではなく、病気やケガの場合は?
病気やケガは団信の保険金支払いの対象外になります。
したがって、毎月の住宅ローンは通常通り支払わなければなりません。
収入がなくとも住宅ローンを支払い続けなくてはならないのです。
住宅ローンは殆どの場合長期になりますから、その事も考慮に入れて、
「住宅ローンサポート保険」などに加入するのも良いかもしれません。
10.団信加入時にしておきたいこと
団信を含め、すべての保険が適正に掛けられているのかをチェックしましょう。
団信も生命保険です。団信に加入したために生命保険の保障が重複すると勿体ないです。
逆に、団信はあくまでも住宅専用ですから、ローンの残債はなくなりますが、
その後、残された家族が支払わなければならない固定資産税や管理費、
修繕積立金、メンテナンス費用などがあることも念頭に入れてはなりません。
また、医療保険などは、年齢とともに掛け金が増えます。
加入できる年齢制限もあります。
現在は健康で問題なく加入できる状態でも将来、
何十年か先、ローンを返済し終わった頃には、保険に加入できない状況になっているかもしれません。
人生設計を見直して、適切な保険を取捨選択すると良いでしょう。
あなたの輝く未来、そのフィールドとなる住宅購入です。
団信の事、保険の事、しっかりとチェックして、充実したサポートを受けるようにしましょう。
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