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「団信」とは? 住宅購入ローンに不可欠な「団信」を詳しく

「家が欲しい」と考えている方必見。

・結婚を控えて、新居を購入しよう
・子供が少し大きくなったから
・資産構築のため
・借家はなんとなく、気をつかうから
・生活に合わせてリフォームをしたいから
・落ち着いて老後を過ごしたいから

など、家が欲しい方は住宅ローンを調べると思いますが、必ずと言っていいほど「団信」の文字を目にすることになります。

住宅を購入する人の多くは住宅ローンを利用して購入すると思いますが、住宅ローンの利用率は驚くほど高いものです。

一般的に
1000万円程度の物件であれば住宅ローンの利用は 60~70%位
2000万円~5000万円の物件では97~98%位
と言われています。

もちろん、買い替えの場合など、売却益で家を建ててローンを使わないなどという例もありますが、
家を買う、建てる場合、殆どの人が全額または一部の購入費にローンを利用しているのが、現実です。

そこで、住宅購入に関するローンを調べていくと、
何やら、普段の生活では見慣れない言葉に度々、お目にかかることになります。

その言葉が「団信」というものです。

「団信」を知らずして「住宅ローン」を語ることなかれ。
とでも言いたくなるほど、住宅ローンとはきっても切れないのが
「団信」という言葉です。

それでは、「団信」とは一体何なのでしょうか?
「団信」について詳しくお伝えします。

1.「団信」とは?

「団信」とは、「団体信用生命保険」の事です。

「団体信用生命保険」は、住宅ローンの返済中にローン契約者が死亡または高度障害になった場合、
本人に代わって生命保険会社が、その時点の住宅ローン残高に相当する保険金を債権者に支払い、
ローンが完済となる制度です。

通常、民間銀行の住宅ローンの場合、「団信加入」は必須要件になっています。

何故必須要件になっているのでしょう。

その一つの理由は、万一ローン契約者が死亡の際にローンの残債
が回収できないと銀行(金融機関)が困るからです。

ローンの残債を回収できなければ、
銀行は大きな損失を抱えてしまうことになります。

その損失を回避するために、
ほぼ100%「団信加入」が必須要件となっているわけです。

また、ローンの返済中に主に一家の大黒柱であるローン契約者にもしものことがあれば、
残された家族は悲惨な目に遭うだろうことは容易に想像できることだからです。

もう、ずいぶん前の事ですが、アナウンサーの逸見政孝さんが亡くなられた時には、
残された家族がローンの返済で大変な苦労をなさったということで、大きな話題となりました。

逸見政孝さんが「団信」に加入していたら・・・残されたご家族が苦労することもなかったでしょう。

そう考えると「団信」があるお陰で助かっている人はかなりの数に上るのではないでしょうか。

「もしも」「まさか」、という時に役立つローンの残債を代わりに支払ってくれる団信には、
どのようにして申し込むのでしょうか?

2.「団信」の申し込み方法

団体信用生命保険は住宅ローン専用の生命保険です。

そして、住宅ローンを扱っている金融機関の殆どは
団信(団体信用生命保険)に加入することをローン貸し出しの要件としています。

したがって、一般の生命保険のように、個人が希望の金額を設定して
生命保険会社へ申し込むのではなく、ローンを申請する銀行(金融機関)経由で申し込みをします。

万一の場合、保険金は加入者に支払われずに、
住宅ローンの残債が銀行へ支払われるようになっています。

3.団信(団体信用生命保険料)の支払い方法

団体信用生命保険料は住宅ローン金利の中に含まれている場合と
含まれていない場合とがあります。

「団信」加入を住宅ローンの必須要件としている金融機関の殆どは、
「団信」の保険料を住宅ローン金利の中に含んでいます。

ですから、別途、保険料を支払う必要はありません。

ところが、団体信用生命保険の加入を任意としている金融機関に
ローンを申し込み団信への加入を希望する場合には別途、
保険料の支払いが必要になることがあります。

また、七大疾病、八大疾病保障特約のついた団体信用生命保険もあり、
加入できる場合がありますが、この場合には保険料が別途上乗せされる可能性が高くなります。

また、金融機関によっては、保険金が支払われる条件が違うこともあります。

したがって、加入する際には保険金支払いの条件をきちんと確認しておくことが重要になります。

4.「団信」の種類

一般的な生命保険(死亡した時にローン代金の残債を変わりに支払ってくれるもの)と
七大疾病、八大疾病保障など特約のついた保険があります。

しかし、住宅ローンの支払いが出来なくなるのは死亡の時ばかりとは限りません。

病気になって、働けなくなることもあり得ます。

そのような時には特約のついた保険だと助かりますね。

ところで、七大疾病とは? 八大疾病とは?何でしょう?

5.七大疾病と八大疾病について

七大疾病とは下記の病気を指します。

1.ガン(悪性新生物・上皮内新生物)
2.糖尿病
3.心疾患
4.高血圧性疾患
5.脳血管疾患
6.肝疾患
7.腎疾患

八大疾病とは下記の病気を指します。

ガン(上皮内ガンを除く)、
急性心筋梗塞、
脳卒中、
高血圧症、
糖尿病、
慢性腎不全、
肝硬変、
慢性膵炎

なお、一概に七大疾病とか、八大疾病に対する保障と言っても、
引き受ける金融機関によって保障の内容が異なる部分もあります。

例えば、

A銀行の場合

3大疾病(ガン・脳卒中・心筋梗塞)に関しては、

ガンの場合は上皮内癌などを除いてガンと確定診断されれば残債分が給付されます。脳卒中・心筋梗塞に関しては、その疾病により初めて医師の診療を受けた日から60日以上、所定の状態が継続したと医師により診断された場合に残債分が給付されます。ただし、所定の状態とは急性心筋梗塞の場合、労働制限を必要とする状態(軽い家事等の軽労働や事務等の座業はできるが、それ以上の活動では制限を必要とする状態)、脳卒中の場合は言語障害、運動失調、麻痺等の他覚的な神経学的後遺症がある状態、です。

他の5つの重度慢性疾患(高血圧、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎)に関しては、【本人の経験・能力に応じたいかなる業務にもまったく従事できない状態】(就業不能状態)となり、その状態が1ヶ月以上続いた時に毎月の返済分が1回の就業不能状態に対し12回まで(計36回まで)支払われます。さらには、この就業不能状態が、13ヶ月以上持続した場合に残債分全額が支払われます。

B銀行の場合
8疾病いずれの場合も、月々の返済分の保障は上記A銀行の5つの重度慢性疾患の場合と同じで、残債分の保障は所定の就業不能状態(A銀行の場合と同じ状態)が12ヶ月以上継続した場合となります。

上記の例に見られるように、銀行により保障内容が異なります。

また、七大疾病、八大疾病保障特約のついた保険へ加入すると
保険料が別途上乗せされる可能性が高くなります。

6.「団信」の審査

団信(団体信用生命保険)も生命保険ですから健康状態をチェックします。

健康状態が審査基準を満たしていないと加入することが出来ません。

そして、住宅ローンを受けることが出来なくなります。

団信の審査はそれぞれの金融機関と提携している受諾保険会社が行います。

残債などの銀行への支払いも引き受け保険会社が行います。

それでは、団信の審査に落ちると住宅ローンを使うことは出来ないのでしょうか?

原則的には住宅ローンを使うことは出来ません。

が、

実は、団信の引受保険会社は金融機関によって異なるのです。

したがって、A銀行で、融資不可でもB銀行では融資可となる場合もあります。

では、銀行と引受生命保険会社の関係はどのようになっているのでしょうか?

違う銀行だからと言って、同じ引受生命保険会社の銀行に申請しても審査は通らないわけです。

したがって、別の銀行(金融機関)にローンの申請をする場合には引受生命保険会社が
異なる銀行(金融機関)に申請しなければなりません。

銀行(金融機関)と引受生命保険会社との関係、知りたいですよね。

7.「団信」の引受生命保険会社について

それぞれの金融機関によって、引き受け保険会社が下記のように決まっています。

2015年1月時点の主要銀行と引受生命保険会社
銀行 引受生命保険会社
三菱東京UFJ銀行 クレディ・アグリコル生命保険株式会社
みずほ銀行 損害保険ジャパン日本興亜株式会社・第一生命保険会社
三井住友銀行 住友生命相互保険会社
イオン銀行 カーディフ保険会社
ソニー吟行 クレディ・アグリコル生命保険株式会社
住信SBIネット銀行 カーディフ保険会社
新生銀行 第一生命保険株式会社・太陽生命保険株式会社
楽天銀行 カーディフ保険会社
地銀 一般社団法人全国地方銀行協会(明治安田生命保険相互会社

住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)では下記のようになっています。

地域幹事生命保険会社
お客さまの借入申込み金融機関等 お客さまの物件所在地 地域幹事生命保険会社
都道府県
モーゲージバンク等※ (全国) 住友生命保険相互会社
下記以外の金融機関
銀行※ 北海道 明治安田生命保険相互会社
信用金庫 青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島 明治安田生命保険相互会社
信用組合 栃木・群馬・新潟・長野 太陽生命保険株式会社
労働金庫 東京・神奈川・茨城・埼玉・千葉・山梨・静岡 日本生命保険相互会社
信用漁業協同組合連合会 岐阜・愛知・三重 明治安田生命保険相互会社
富山・石川・福井・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山 第一生命保険株式会社
鳥取・島根・岡山・広島・山口 富国生命保険相互会社
徳島・香川・愛媛・高知 住友生命保険相互会社
福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島 第一生命保険株式会社
沖縄 三井生命保険株式会社

※楽天銀行及び住信SBIネット銀行については「銀行」ではなく「モーゲージバンク等」欄をご覧ください。

なお、住宅金融支援機構は、下記の生命保険会社と保険契約を締結(機構団体信用生命共済の場合は全国共済農業協同組合連合会と共済契約を締結)し、機構団信特約制度を運営しております。

別の銀行(金融機関)に申請しても審査を通らなかった時には・・・

8.「団信」の審査に落ちた場合の対策

団信は住宅ローン専用の生命保険といっても生命保険である以上、
健康状態の審査も行われます。

そのため、他の条件をクリアしていても、健康状態でローンが
不可になってしまう場合もあります。

そのような場合にはどのようにしたらよいのでしょうか?

折角、念願のマイホームの夢が叶いかけているのに
ローン申請を却下されたのでは、悲しいです。

そんな時の対策のいくつかをお知らせしましょう。

フラット35にローン申請をする

フラット35は、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が行っている住宅ローンです。

どのようなものかというと、

民間金融機関住宅金融支援機構が共同で提供している長期固定金利住宅ローン。新築住宅の建築・購入と中古住宅の購入に利用できる。同機構の前身である住宅金融公庫が2003年に開始し、04年に現名称となった。金融機関が利用者の住宅ローンを組み、その債権を同機構が買い取り、証券化して投資家から資金を得る「買取型」と、債権の買い取りは行わず、フラット35を担保に発行される債券などの債務の支払いについて、住宅金融支援機構が保証を行う「保証型」がある。借入期間が最長35年の固定金利という点は両者同じだが、買取型は借入限度額が建設費・購入価格の9割まで(14年4月からは全額借入が可能)、団体信用生命保険への加入は任意(保険料が別途必要)、保証型は住宅ローンの借り換えが可能で、借入限度額は最大全額、団体信用生命保険への加入は必須(保険料は銀行が負担)となっている。

というものです。

買取型であれば、団体信用生命保険への加入は任意となっていますから、
団体信用生命保険へ加入しなくとも良いわけです。

ワイド団信「引き受け条件緩和型団体信用生命保険」に申し込む

ワイド団信とは通常の団信よりも条件が緩やかで保障範囲が広範囲なものです。

七大疾病特約付き、八大疾病特約付きの団信もワイド団信と呼ばれることがありますが、
ここでいうワイド団信は引き受け条件緩和型団体信用生命保険のことです。

ワイド団信は通常の団信よりも審査が緩やかです。

例えば、「高血圧症」「糖尿病」「肝炎」などの症状で団信の審査が通らなかった方でも
引き受け条件緩和型団体信用生命保険であれば審査に通る可能性があります。

ただし、審査が緩やかになる分、保険料を多く収める必要があります。

一般的には保険料は適用金利に年0.3%上乗せされます。

その分、支出が増えるわけですから、ワイド団信が必要かどうか
十分に検討してから申し込む方が良いでしょう。

収入保障保険に加入する

収入保障保険とは、保険に加入している方が亡くなられた場合、
保険金額を保険期間の間、毎月、遺族が受け取れるというものです。

例) 30歳の時に65歳まで毎月10万円を受け取れる保険契約をした場合
  40歳で亡くなられた場合、遺族は25年間、毎月10万円を受け取ることが出来ます。
  50歳で亡くなられた場合、遺族は15年間、毎月10万円を受け取ることが出来ます。

収入保障保険に加入していても、団信とは異なり、
残債を保険会社が支払ってくれるということはありません。

が、毎月のローン返済金額を支払ってもらう保険契約であれば、
その保険料で遺族はローンを返済することが可能になる訳です。

ローン申請する銀行(金融機関)を変えてみる

前々項、6.「団信」の引受生命保険会社についての表を見てください。

銀行によって団信の引受生命保険会社が違っているのが分かりますね。

団信の加入審査をする引受生命保険会社の審査基準は引受生命保険会社によって異なります。

したがって、引受生命保険会社の異なる銀行(金融機関)へローンを申し込むと、
審査をパスする場合もあります。

団信とは関係のない生命保険に加入してローンの申請をする

銀行が団信に加入できないとローンを受け付けないのは契約者が死亡などによって
ローンの返済が出来なることを避けるためです。

ですから、団信でなくとも万一の時にローンの残債をしっかり受け取れるのであれば
銀行がローンを引き受ける可能性は高くなります。

また、一般の生命保険だけですと死亡した場合には保険金を受け取って残債を
決済することが出来ますが、病気、怪我などで働けなくなった場合にはローンの返済に
困ることになります。

したがって、疾病特約付きのものなどに加入しておけば、病気、怪我などで働けなくなった場合にも
安心であるのと同時に、ローンの審査も通りやすくなるでしょう。

もちろん、保険金額は融資金額の担保として十分なものでなければならないことは言うまでもありません。

医師の診断書を提出する

あらかじめ団信の審査には通らないかもしれない、
又は、すでに他の団信審査に落ちてしまった場合、
症状が安定しているという診断書を医師に書いてもらい、申請時に提出すると、
審査に通りやすくなる可能性もあります。

9.団信ではカバーできないリスク

住宅ローン返済中に死亡や高度障害状態になってしまった時、
住宅ローン残金分の保険金が金融機関に支払われ、住宅ローンが清算されます。

遺族がローンを受け継いで苦労することもなくローンを貸し出した銀行(金融機関)も
ローン返済の回収が出来て、良いことづくめのようですが、気を付けなければいけないことがあります。

それは、団信がカバーしてくれるのは死亡や高度障害状態になってしまったとき、です。

住宅ローンの債務者が死亡ではなく、病気やケガの場合は?

病気やケガは団信の保険金支払いの対象外になります。

したがって、毎月の住宅ローンは通常通り支払わなければなりません。

収入がなくとも住宅ローンを支払い続けなくてはならないのです。

住宅ローンは殆どの場合長期になりますから、その事も考慮に入れて、
「住宅ローンサポート保険」などに加入するのも良いかもしれません。

10.団信加入時にしておきたいこと

団信を含め、すべての保険が適正に掛けられているのかをチェックしましょう。

団信も生命保険です。団信に加入したために生命保険の保障が重複すると勿体ないです。

逆に、団信はあくまでも住宅専用ですから、ローンの残債はなくなりますが、
その後、残された家族が支払わなければならない固定資産税や管理費、
修繕積立金、メンテナンス費用などがあることも念頭に入れてはなりません。

また、医療保険などは、年齢とともに掛け金が増えます。

加入できる年齢制限もあります。

現在は健康で問題なく加入できる状態でも将来、
何十年か先、ローンを返済し終わった頃には、保険に加入できない状況になっているかもしれません。

人生設計を見直して、適切な保険を取捨選択すると良いでしょう。

あなたの輝く未来、そのフィールドとなる住宅購入です。

団信の事、保険の事、しっかりとチェックして、充実したサポートを受けるようにしましょう。